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小林よしのり
2014.4.19 12:54

慰安婦は借金を返せば朝鮮に帰れた


村山談話・河野談話に未来はあるか?

58回 米軍調査報告に見る慰安婦の実態(その9)

 

最後にもうひとつ、米軍による調査報告書を紹介しよう。

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「慰安婦」はすべて、次のような契約条件で雇われていた。

慰安婦は彼女自身が稼いだ額の50パーセントを受け取り、

交通費、食費、医療費は無料だった。

交通費と医療費は軍当局によって負担され、食料は、軍の

貨物廠の援助のもとに慰安所経営者によって購入された。

経営者は、衣服、必需品、奢侈品を法外な値段で慰安婦に

売ることによって余禄を得た。

慰安婦は、彼女の家族に前貸しされたお金と、それに

加えて利息を返済できた場合には、朝鮮へ帰るための

無料の交通の便宜を提供され、あとは自由の身であると

みなされることになっていた。

しかし、19436月、第15軍司令部が、債務から解放

された慰安婦たちを帰国させる手配をしたにも

かかわらず、戦況のゆえに、これまでのところ、M739

(注・慰安所経営者の捕虜番号)のグループでは

だれ一人として、帰国を認められた者はいなかった。

そして、前述の条件を満たして帰国を希望したある

慰安婦は、他愛もなく説得されて残留することに

なってしまった。

739の施設では、慰安婦一人の稼ぎの最高額は

月に約1500円、最低額は月に約300円であったが、

この慰安所の規定により、慰安婦は、最低でも月あたり

150円を経営者に支払わなければならなかった。

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これまで紹介してきた資料と内容が重なる部分もあるが、

これは別の機関が作成した報告書である。

前回までの報告書の内容が決して特異なものではなく、

状況は誰が調べても変わらなかったという証明にも

なろう。

慰安婦は借金さえ返せば自由の身で、無料で朝鮮に

帰れたのだ。

この報告書の調査対象は一人も帰れなかったというが、

それはあくまでも戦況悪化で帰路の安全が保証でき

なかったためである。

帰国を希望した者が「他愛もなく説得」されたのも、

危険を冒してまで帰りたいほど過酷な生活では

なかったからだろう。

なおこの報告書で、もっとも稼ぎの悪い慰安婦の月収が

手取りで150円程度だとわかるが、

これは陸軍少尉の戦地手当て込みの月給よりも高い。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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